健常者になれなかった者たち

4人のガイジたちが送るドタバタガイジストーリー

【ADHDエピソード】1回の用事で電車を1回、バスを3回逃した話 (休学ラブライバー)

ごきげんよう。休学ラブライバーです。

 

はじめましての方ははじめまして。

we-are-not-normal.hatenablog.com

さて、今回は、タイトルの通り僕のADHDエピソードを紹介します。

 

 

 ある夏の日のこと。僕は日差しの強さに目を覚ました。時刻は午前7:00頃。

今日は、以前Twitterから応募した朗読劇のオーディションの日だ。

 

集合時間は12:00なので、10:30頃に部屋を出ればいいだろう。

ということは、今から3時間以上時間がある。

準備に1時間使ったとしても2時間以上は自由な時間がある。

そこで、僕はその2時間をインターネットで動画をみたりネットサーフィンをして過ごすことにした(といっても、意思決定したというより自然にそうなってしまった)。

 

ところで、何分も前から駅に着いて電車やバスを待つのが好きではない。その数分でも、暑かったり寒かったりする屋外でただ待つのが無駄なように思えるからだ。

 

そんなわけで、僕は10:37の電車に乗るべく、10:30に家を出ようと決めた。

 

午前10:20。ぼちぼち出るか、と服を着て、カバンに筆記用具やペットボトルを詰めていく。

僕の部屋の玄関には姿見があるのだが、部屋を出る直前に、鏡に写った自分が見えた。

「うーん、髪がちゃんとしてない」

急いで靴を脱ぎ、洗面所でワックスをつけた。

午前10:32。

 

バタバタと靴を履き、後ろ手でバタンとドアを閉めて駅までダッシュ

駅に行くまでには信号が1つあって、ついてないことに、僕が来たとき駅までの信号は丁度赤に変わってしまっていた。

 この、どうやっても進めない時間が非常にイライラする。

 

早く変われと信号を睨みつける僕を尻目に、発車時間は刻々と迫ってくる。

 

緑が光った。走った。

走れオタク。間に合わなければ、後悔と無念と苛立ちがお前を押し潰すぞ。

 

………

 

オタクは押し潰された。

 

息を切らした。無様な姿をさらした。

なのに何故?

何故間に合わなかった?

 

ムカつく。

答えは準備不足、それだけ。全部お前のせい。

ああムカつくムカつく。

 

照り付ける太陽に負けず劣らず、僕の顔も熱気を放出していた。

 

 

そんな熱気も、電車が運んできた風に散らされた。

電車でスマホをいじっていると案外気がまぎれた。

 

少し落ち着いたところで、初めての場所なので、乗り換えや駅からの道を車内で確認。

 

電車を降り、調べたバス停に向かう。

乗り換えにはあまり余裕がないので少し速足で。

 

バス停に着いて、5分ほど待った。

乗り換えには余裕がないはずじゃなかったのか。

スマホを見ると、予定の時間はもう過ぎている。遅延だろうか。

バスは数本見送ったものの、その中に僕が乗るべき番号はなかった。

 

そこで、時刻表を見てみた。

やはりバスの路線図・時刻表は少し複雑だ。

…だが、それにしてもだ。

 

俺の行き先、書いてなくない??

 

混乱した。

ちゃんと乗り換えアプリが指示したバス停と同じ名前だぞ??

バス停から少し離れて名前を確認してみても間違いはない。

 

何故?何故…?

考えること1分。

 

青天の霹靂とはこのことか。

雲一つない空を見上げ、僕は一瞬呼吸が止まった。

 

俺、逆方向のバス停に行った?????

 

ヤバいヤバい。

急いで今いるのと逆のバス停に向かう。

 

しかし、時刻表を見ると次のバスは30分以上あと。

 

クソッ…。

急いで乗り換えアプリを起動。

天神まで行って、そこからバスに乗れば間に合いそうだ。

出費がかさむが、背に腹は代えられない。

金は時なり、だ。

 

そんなわけで天神に着き、またバス停まで行った。

もちろん、今度こそ方向が正しいことは確認済みだ。

 

さて、それにしてもバスが来るまで10分はある。

10分間ただつっ立って過ごすのも退屈だ。僕はスマホでネットサーフィンを始めた。

 

しかし文明の利器とはよく言ったものだ。昔は外に出たら待ちぼうけを食らうことばっかりだっただろうなとぼんやり昔に思いを馳せた。

 

おっと、Twitterで面白い記事を見つけて、すっかり夢中になってしまっていた。

顔を上げると、まだ目的のバスが来ている様子はない。まだ大丈夫だ。

 

……

 

………あれ?

 

画面の上部の数字を見ると、僕が頭に入れていた時刻をとうに回っていた。

 

!!??!!?!

 

ウソだろ???

焦っていても、考えられる可能性は一つしかない。

 

僕は、スマホを眺めているうちに、目的のバスを完全スルーしていたのだ。

 

もう、ここまでくると怒りの感情はほとんどない。

むしろ自分の愚かさに、強い恐怖を覚えた。

ネタではなく、この時ばかりは本気で脳の障害を疑った。

 

次のバスは20分後。完全に大遅刻である。

僕は相手方に遅刻する旨の連絡をし、詫びに詫びた。

 

結果、

オーディションには見事に落ちた。ちゃんちゃん。

 

現場での反応は結構よかったのにね。

 

おわり。

(休学ラブライバー