ガイジはかく生まれき ~「中高6年間男子校」という病~
こんばんは、キモすぎタラバガニです。
このブログのコンセプトは「ガイジの集まり」というところなのですが、そもそも、我々ガイジは何故誕生したのでしょうか。今回はその謎に迫っていきたいと思います。
はじめに、我々は同じ中高一貫校で6年間を過ごしたのだが、この「6年間」の経験は、ガイジ育成に多大なる貢献を果たした。それはなぜか。
それは我々4人は、男子校という牢獄に6年間投獄されていたからである。この「男子校」という刑務所はかなり特殊な環境である。おそらく我々と同じ年にこの刑務所を卒業した者で、おおよそ常識人と呼べる人物はいないだろう。
まさに「みんな違ってみんなガイジ」というわけである。
どうしてこうなった・・・
今回は、その理由について考察していきたい。
※なお、以下の男子校の特徴は、我々が所属していた学校をもとにしたものであり、必ずしも全国各地の全ての男子校の特徴を表すわけではありません。
1、「女性と話す機会が皆無」という環境
一番目から「男子校あるある」で誰でも思いつくようなことを挙げてしまったが、実はこれが一番深刻な問題なのだ。
まず、次のグラフを見て欲しい。
このグラフは、我々4人の見解をもとに作成した刑務所内のカーストを表したグラフである。内訳は、ガチ陽キャ(4%)、準陽キャ(10%)、陰キャ(85%)、その他(1%)となっている。
では、彼らはどういった生態をしているのだろうか。その生態を具体的に見ていこう。
①ガチ陽キャ(4%)
このカーストは、男子校のひと学年という猿山を治めるボス猿的立ち位置である。
彼らは、先天的な高いコミュ力、端正な顔、恵まれた家庭環境を武器に無双しており、全学年の85%を占める陰キャを道端の糞ぐらいにしか見ていない。基本陰キャと対話することはないが、ストレスがたまったときや、弄ったら面白いと思ったら陰キャ虐待を行う者らである。いわゆる「人生の勝者」だ。
彼らはその優れたコミュ力から、学校外の人のネットワークも充実しており、空気を吸うように女子と会話し、遊び、遊ぶ。そのため、男子校の中では唯一「女子と対話できる層」であるといえよう。ちなみに、彼らのうち2人に10人は非童貞である。
だが、彼らも彼らで、人生の勝者であっても男子校の絶対的上位に6年間君臨していたため、当然健常な生活を送っていたわけではないということに釘を刺しておきたい。
②準陽キャ(10%)
このカーストは、一言で言うとガチ陽キャの金魚の糞、腰巾着である。
彼らは、学校生活の中でガチ陽キャの傍にいない時間はない。常にガチ陽キャを取り囲み、場を盛り上げるのが仕事である。このようにガチ陽キャにくっつくことによって、学校内の安定した地位と、ワンチャン伝手で絡めるかもしれない女子との対話を得ることができるのである。なお、場の盛り上げのためには手段を選ばない彼らは、ガチ陽キャ以上に陰キャへの虐待がえぐい。
③陰キャ(85%)
この「陰キャ」カーストは、全体の85%をも占める最大勢力なのだが、厳密にいうと、「母親や姉妹以外の女性と会話することがない」層である。そういった女性と会話する機会に無い彼らが奇跡的に異性と会話する機会があろうものなら、生き地獄を味わうことになる。たとえば塾で友達の友達と言った感じで他校の女子生徒と話す機会があったとしても、たまたま道端で小学校時代の女の知り合いに会って挨拶されたとしても、「アッ...アッ.....」と言ってるうちに会話が終了する、と言った具合である。
では学校では男だけで和気あいあいと過ごしているのかというとそういうわけでは無い。
もちろん陰キャの仲間内では和気あいあい楽しく過ごしているのだが、上位層である陽キャらに絡まれても反抗することは許されない。たとえ食いかけ弁当の中にカラシをぶち撒けられても、勝手に鞄を隠されても、唐突に殴られても、「ちょっと〜笑何やってんだよ〜笑」で済ませなければならない。
これらの行為は、決して「いじめ」ではなく、刑務所内の秩序を保つための「いじり」として行われているのだ。
こうして彼らは、自分が人生の敗北者であるということを6年間で叩き込まれ、結果その後の人生において、何をするにしても自信が湧かないまま行動するため、結果的にほとんど上手くいかず、ただガイジ行動をとるだけの人間となる。
ちなみに僕ら4人はみんなここにいます。笑
④その他(1%)
ここに属するのは、こんな陽と陰の間を上手く渡り歩く、いわゆる「陰陽師」的なポジションである。彼らは陽キャの方々に気に入られつつも、常に陽キャグループの傍にいるというわけでもなく、陰の者の中でもやっていっているというポジションだ。刑務所内の唯一の良心といえるだろう。
2、初恋の相手が男
さて、刑務所内のカーストが分かったところで、次は恋愛観の話に移ろう。この見出しを見て、健常者の方々は「ああ、確かに男子校ってホモが多いっていうもんな」と思われたかもしれないが、ここに書くのは、いわゆるホモの話ではない。
むしろ、少なくとも自分の学校では本当に恋愛対象が男だと公言していた者はいなかった。出回るオカズの話は全て女だったし、ロッカーの中に大量のエロ本を隠して後に先生に検挙された者も、持っていたのは全て異性愛者向けのものであった。
だが、どうしてそんな者が集まっているのに、初恋相手が男になってしまうのか。ここからは、一般的な健常者の方の初恋から恋愛関係に至る流れと、刑務所内の初恋事情を比べながら考察していきたい。
まず、一般的な共学の中学に進み、健常な恋愛をしていった方々はどんな風なプロセスを踏んでいるのか。自分は健常者ではないので具体的なことは分からないが、「たぶんこうだろうな」という憶測だけで恋愛関係に至るフローを書いていてみた。
①クラスや部活などで出会う→②よく話すようになり、仲良くなる→③ちょっと意識し始める→④毎日会ううちに好きになっていく(初恋)→⑤告白→⑥付き合い始める
では、刑務所内はどうなのか。
①クラスや部活などで出会う→②よく話すようになり、仲良くなる→③ちょっと意識し始める→④毎日会ううちに好きになっていく(初恋)→
あれ?一緒じゃん。
そう、健常者の初恋フローと一緒なのである。相手が同性であることを除いて。
つまり、もともとは異性愛者であるにも関わらず、初恋の相手は男という、恋愛観ぶっ壊れの経験を積んでいるのだ。
「いや、異性愛者なのに男を好きになるなんておかしいだろw」
と、もっともな意見を持つ読者もいるだろうが、そもそも男しかいない環境でどうやって女に興味を持てというのか。これは、異性として恋愛感情を抱くというより、人として恋愛感情を抱いていると言ったほうが良いだろう。
3、ツンデレなおっさんが教員
さて、1,2と生徒側の話をつらつらと書いていったが、では看守先生側はどんな人間なのだろうか。
そもそも前提として、男子校の先生は9割がおっさんである。中には女性の教員もいるが、たいていクソ舐められて終わる(=退職)。
そして、そのおっさんたちは、基本的に生徒に対してめちゃくちゃ理不尽に接してくる。
例えば、教室に小さい埃が落ちていただけでクラス全員で掃除をさせたり、頭髪検査(これもおっさんたちの主観で行われるため、そもそもの基準がだいぶ理不尽なのだが)で合格した生徒を呼び戻して不合格にさせたり、機嫌が悪いと終礼で1時間ぐらい説教したりと、もう情緒不安定なんかお前はと言わんばかりの理不尽ぶりを発揮してくる。
しかし、これには理由がある。というのも、10代中盤の血気盛んな男どもが集まっている刑務所では、あまり甘すぎると舐められ、下手をするとクラスで暴動が発生しかねないというのがある。さすがに男子生徒を扱うプロといえども、若い男集団に集団で暴動を起こされては抑えることはできないのだ。
そこで、あえて(?)超理不尽に押さえることによって「先生が絶対」という観念を生徒に植え付けるというわけである。
だが、そんなおっさんたちも時たま「デレ」を見せるときがある。
例えば、文化祭。私の担任は皆が出し物で奔走する中、自家用車で出し物に必要なものを買い出しに行っていた。先生が生徒にパシられるという異常な状態が発生していたのである。さらに、彼は戻ってきたかと思いきや「お前ら暑いだろ。飲め。」と全員に飲み物を配りだすデレデレっぷりを発揮した。
この一連の神対応に「とうとうあの担任も改心したか!?」とクラス全員が期待し、歓喜に湧いたのだが、翌週にはクラス全員で掃除させられるという日常生活に戻っていった。
こういった具合に、看守であるところのおっさんたちはツンデレを武器に巧みに刑務所を統治していたのである。
いかがだろうか。厳格なカースト制の中、男相手に初恋し、おっさんのツンデレを受けながら6年間を過ごすという、およそ健常とは程遠い時間を過ごしてしまった。
まぁ、なんだかんだ言って普通ではできない体験をしたという意味ではすごく楽しかった6年間だったのだが、卒業後、健常者への道は完全に閉ざされてしまった。
我々も、大学で健常者の方々と接するうち、いかに異常な環境におかれていたかというのを身に染みて感じつつ、大学生活を終え、懲役40年の労働刑を迎えようとしている。
やっぱり、健常者になりたかった。女に初恋をし、皆が平等に過ごし、やさしい先生に囲まれて青春を過ごしたかった。
結論として言いたいのはただ一つ。
男子校、最高。
キモすぎタラバガニでした。
ではまた次回。